偶然

ロマンスカーで隣り合わせた全ての人と会話したら少しだけ人生早回転するんやないかと…
阪急電車で毎日京都まで通ってた大学生の頃そんなことをよく思ったのです。
隣に座るその人がいる世界は私の想像し得ないものじゃないかと思うと何も話さず降りるのはもったいない気がしたりね。まあもちろん話しかけるのなんてめんどくさいし、人の声が響く日常の中の電車は苦手です。



仕事とYWCAの講座の間の時間潰しに旭屋に寄ったら音楽本の棚の前で綺麗な髭のニコニコのおじさんに「ジャズが好きなのですか?」と話しかけられた。
アムステルダムで大学の先生をしてるらしく、ジャズが大好きらしく、友人のドラマーはかつてチェットベイカーと演奏したらしく、4年に1度のオリンピックみたいにしか日本には帰れないから今回は日本のジャズを探りたいというそのおじさんにロイヤルホースとCD屋を教えたら「またどこかで…」と去っていかれた。丁寧な言葉を話す彼に可能な限りの丁寧な言葉で話した10分弱の静かな時間は癒しそのもの。


9月関西ー北京の機内で隣り合わせたおばさんに話かけられた。
栄養士やったけど最近は日本語教師をしてる中国語を話せる友人と一緒に北京旅行に行くというそのおばさんは英語の教師らしく「私の英語はまだまだやから外に出て頑張らないとね」と優しく語った。モンゴル行きを不安に思ってた私は、母親と同い年くらいの前向きなそのおばさんに救われたのよね。


もう何年前か忘れたけどくだらないことで泣きべそかきながら京阪電車に乗り込んだら三条から隣に座ってこられたおばあさんに話しかけられた。
ズーズーいってる鼻をふいてる私を気にすることもなく「どこいくの?」と。偶然にも祖母の家へ向かうとこやった私はたしか結構な長い間話してた。おかげで天満橋に着くころにはホコホコやった。



まあアタリハズレはあるやろけど、ガチガチに真面目そうなサラリーマンのオッサンとか静かそうな主婦の人とかドハデなねえちゃんと話したりするときっとおもしろいね。